形容詞の形
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1.性

Indice:

1−4.形容詞の形(性・数)

名詞の男性「形」から女性「形」を作るといった話はありえない。

「すべての名詞は、m.またはf.の文法性をもつ」すなわち、男性名詞と女性名詞があるのであって、どちらかがどちらかに従属・依存して生じるわけではありません。語彙を増やすために、-oと-aの対応に着目するのは有効ですが、そういう名詞ばかりでもありません。
意味・形(-o, -a)が対応するもの 意味で対応するものの、形が全く対応しないもの 形が(-o, -a)の対応のように見えて、意味が全く対応しないもの
menino -- menina

pato -- pata

homem --  mulher

boi -- vaca

caso -- casa

pasto -- pasta

形容詞は4つの形をとる

すべての名詞は文法性としての性(m.またはf.)をもち、形容詞は、その形容詞と共起する名詞のもつ文法性と一致する。

ということで、形容詞は名詞にあわせて形を変えるものと見ることができます。ここで説明した、性と、数(単・複)を掛け合わせ、4つの形をとる可能性があります。

branco (白い) 男性形 女性形
単数形 branco branca
複数形 brancos brancas

ところが、必ず4種類の形が見分けられるかというと、さにあらず。

男性形・女性形が同形であるもの:
fácil (易しい) 男性形 女性形
単数形 fácil fácil
複数形 fáceis fáceis

男性形・女性形・単数形・複数形が同形であるもの:

simples (単純な) 男性形 女性形
単数形 simples simples
複数形 simples simples

ただし、これらについて、「男性形・女性形の区別がない」つまり、
fácil (易しい) 両性対応単一形
単数形 fácil
複数形 fáceis
simples (単純な) 両性対応単一形
単複対応単一形 simples

のように捉えると、長い(うそ臭い)定義が必要になります。
すべての名詞は文法性としての性(m.またはf.)をもち、形容詞は、その形容詞と共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する。ただし、不規則形容詞A型(fácilなど)においては、性の一致はなく、数のみが一致する。また、不規則形容詞B型(simplesなど)においては、性・数ともに一致は行なわない。

一方、全ての形容詞は、(男性形・女性形) X (単数形・複数形)の4つの形をとりうる。一部、男性形と女性形が同形であるもの、単数形と複数形が同形であるものが存在する、という前提に立てば、
すべての名詞は文法性としての性(m.またはf.)をもち、形容詞は、その形容詞と共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する。

と言い切れることになります。

長い前提を置くのなら、どっちもメンドクサイじゃないか、と怒られそうですが、形容詞の絶対最上級を確認すると、見えてくるものがあります。
fácil (易しい) 男性形 女性形
単数形 facílimo facílima
複数形 facílimos facílimas
simples (単純な) 男性形 女性形
単数形 simplíssimo simplíssima
複数形 simplíssimos simplíssimas

これらを前提なしで説明しようとすると、

ただし、形容詞が絶対最上級となる場合、不規則形容詞を含め、全ての形容詞は、共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する。

という「ただし書き」を追加しなければならなくなります。文法研究家の論文であれば、「なぜ」または、「4つの形原則(同形はあり)」の前提を置いた際の不整合・不都合を、列挙・説明しなければならなくなるところでしょうが、「いい嘘」が思いつきません(『諸相』でもそこまでは面倒見てくれません)。

  • すべての名詞は文法性としての性(m.またはf.)をもつ
  • すべての形容詞は、その形容詞と共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する
    • ただし、一部、表面上、同じ形を保持する形容詞もある

↑これと↓これ、どちらがすっきり?
  • すべての名詞は文法性としての性(m.またはf.)をもつ
  • すべての形容詞は、その形容詞と共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する
    • ただし、不規則形容詞A型(fácilなど)においては、性の一致はなく、数のみが一致する。また、不規則形容詞B型(simplesなど)においては、性・数ともに一致は行なわない。
      • ただし、形容詞が絶対最上級となる場合(および、口語的表現で形容詞が縮小辞・拡大辞をともなう場合)、不規則形容詞を含め、全ての形容詞は、共起する名詞のもつ文法性ならびに数(単複の別)と一致する。

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