名詞の省略3
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4.名詞の省略

4−3.「代名詞」の機能と名詞の省略

(o) seu amigo e o meu という表現について考えます。

NGPCには代名詞の説明として次のような記述があります:

文中において、代名詞は、名詞的構成要素(名詞・名詞句・名詞節)に比肩できる役割を担う

例えば:

  • 名詞を代理するもの(引用省略)
  • 名詞にともなって、その意味範囲を規定するもの
    • Quanto valem, és capaz de dizer?  Leques espanhóis, de seda, de alguma bisavó do meu tio cónego, com estas pérolas de prata e oiro!  (Fernando Namora)

    前者(名詞を代理するもの)の場合、代名詞は名詞の機能を担っており、そこからpronomes substantivos (「代名詞」以下PS)と呼ばれる。後者(名詞にともなって、その意味範囲を規定するもの)の場合は pronomes adjectivos (「代形容詞?」以下PA)と呼ばれる。あたかも形容詞のように、共起する名詞を修飾するからである。

     

実用上、これら2つは明確に見分けることができる。PS は文中で独立して現われ、PA は必ず名詞とともに現れて、その名詞と性数一致するからである。

、、、という定義に従うと、(o) seu amigo e o meu の場合、seuPA で、meu (実際は o meu)は PS ということになります。meu は、確かに文章表現上(seu amigo e Paulo のように)名詞的構成要素に比肩できる役割を担っているように見えますが、文法上、いかなる名詞を代理しているのでしょうか。

  • seu amigoamigo だとすると、、、
    • seu amigo e o amigo と言い換えることも可能?
  • むしろ、(o) seu amigo e (o) meu amigo なのでは?

代名詞が名詞の代理という考え方は正しいのでしょうか。

『諸相』には、ここに続けて、「上の例文(Quanto valem,,,)に見られる、alguma, meu, estas はいったいいかなるsubstantivo representar しているのだろうか」とありますが、それを言うなら adjectivo では?そうだとした上で、「いかなる形容詞の代理をしているのか?」というのも、大きな疑問ではあります。(単なる書き間違い?)

ということで、代名詞についても再考します。

代名詞の仮定義(このテーマに使う限りなので、説明語彙の厳密な定義にはこだわらず):

代名詞は機能から言えば、名詞とひとしく主語、目的語などの役割を果たす。しかし代名詞は名詞の代わりをつとめるのではなく、修飾語句を伴わぬ名詞あるいは冠詞を伴わぬ固有名詞を最小構成要素とする「名詞句」(sintagma nominal)全体の代わりをつとめるものである。この「名詞句」が指示するものと代名詞の指示するものとは必ず同一(idêntico)である。

こう考えると、alguma, meu, estas は「代名詞」とは呼べなくなります。

seu amigo e o meumeu (o meu)については?seu amigo または、ここに見られる amigo の代わりとするには、それが同一人物でなければならなくなりますので、動詞の活用も3人称単数になるべきところですが、実際は3人称複数となります。seu amigo とは別人が o meu として存在し、合計2人いることになります。また、代名詞が代わりを務めるべき「名詞句」は、seu amigo で、これを解体して amigo だけを代名詞で言い換えることはできません。

seu amigo e o meu を無理なく説明するには、

seu amigo e o meu は、seu amigo e o amigo meu から、名詞 amigo が省略された形である。

というべきでしょう。

では、どのような条件のときに省略が可能となるのでしょうか?

2つ以上の名詞句が(例えば一つの文の中にあるとき、それぞれの名詞句の核となっている名詞の形がひとしく、それらの名詞によって指示されているもの(referente)がたがいに異なっていれば、2番目以降の名詞は省略することができる。
  • seu amigo alto e o meu gordo
  • seu amigo do Brasil e o meu de Portugal
  • seu livro de inglês e o meu de francês
  • seu filho de dez anos e o meu que tem vinte anos
  • seu amigo magro e o meu que fala italiano
  • sua filha que gosta de estudar e a minha que não gosta

ところで、o amigo meu からの派生であって、o meu amigo からの派生ではないと考える理由は?

  • 「定冠詞+所有詞+名詞」のとき、定冠詞が省略できる
  • 「定冠詞+名詞+所有詞」のとき、定冠詞は省略できない

というルールと共通。o seu amigo e meu だと「君と僕の(共通の)友達」と別の意味になってしまいます。

o amigo meu o meu

(名詞の省略)

o amigo meu

(省略しない)

o meu amigo

(倒置)

meu amigo

(冠詞の省略)

↑と考えるのと、↓と考えるのと、どちらがスッキリでしょうか?

o meu amigo o meu

(名詞の省略)

o meu amigo

(省略しない)

→ meu amigo

(冠詞の省略)

→  o meu amigo

(省略しない)

o amigo meu

(倒置)

定冠詞を省略するかどうかの問題ではない

これらを勘案すると、冒頭の疑問にも答えが見つかります。

  • Este cinto é meu.
  • Este cinto é o meu.

これらの意味の違いは、派生もとの文の構造の差によると考えるべきだということです。

  • Este cinto é de EU. Este cinto é meu.
  • Este cinto é o cinto de EU. Este cinto é o cinto meu. Este cinto é o meu.

 

  • 定冠詞の省略が起きるのは、「(定冠詞+)所有詞+名詞」の場合
  • 「定冠詞(+名詞省略)+所有詞」では定冠詞が省略されることはない

さて、Este cinto é o cinto meu. というときに、cinto が指示するものは、同じベルト一本ではないか(とすると、名詞の省略はできないのではないか)、という疑問がありますが、文法機能上・意味上では「同一 (idêntico)」とは言えません。『諸相』では、ページ数がないので、説明は抜き、でしたが、ヒントが挙げられています。

  • Este professor é professor de italiano.

つまり、「会話者が認識する(話題の対象とする)現物」と「性質・属性の定義」とは、同じ名詞を使っていても、「同一(idêntico)」ではない、、、ということですが、、、もっといい説明がありましたら教えてください。

呼び名の問題、「所有代名詞?」「所有形容詞?」

これまた、いままでの話を勘案すると、「代詞(pronomes)」を「代名詞(pronomes substantivos)」と「代形容詞(pronomes adjectivos)」に二分すること、ここでの話に限れば、「所有詞 (pronomes possessivos)」を「所有代名詞(pronomes substantivos possessivos)」と「所有(代)形容詞(pronomes adjectivos possessivos)」に二分して捉えることは、意味なしということになります。本質的に同じものに二つの名前は要らないということです。

性と数の一致という特徴から「所有形容詞」と呼ぶことについても、他に形容詞と共通することがあるわけでもないので、それほど適当とは言えなさそうです。

人称代名詞の、主格形、対格形、与格形に並べて「属格形」と呼ぶのは?通常の人称代名詞が固有の文法性と数を持つのに対して、meu, minha, meus, minhas の形を決定するのは EU の文法性・数ではなく、これまた無理があります。

ということで、「所有詞」という名前が適当と判断します。これは「所有代名詞」と「所有形容詞」の総称ではなく、一般に「所有代名詞」「所有形容詞」と呼ばれているものの間に違いがないという判断によるものです。

ところで。O seu é meu. (君のものは僕のもの)と言うときの、o seu は?名詞が省略されたものでもなく、seu é meu とは言えないし、a sua é minha (a sua é a minha)と対応する o seu é o meu とも別物のようです。これは「所有代名詞」なのでは?

『諸相』ではこの o seu は、o que é seu の省略であり、seu 自体は他の seu とかわらないものであるとしています。(詳細は別途>>)

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