リトミック・トレーニング
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リトミック・トレーニング

各言語を特徴づける要素にも色々ありますが、ここではリズムについて、考えていきます。

上手に話せることについて、「流暢に」と表現されますが、それはどういうことでしょうか。速いことでしょうか?早口ならば「上手」とは言えないことは、一部の外国人タレントの日本語を聞けば明白です。では、正確な発音であること?正確な日本語の音を使用しても「ワレワレハウチュウジンダ」というウルトラセブンなどの悪役宇宙人の発言には、異質なものを感じます。一方、たいして正確とも思えない、トラックの指示器に連動したアナウンスは「バックします」「左へ曲がります」と聞こえます。タバコの自動販売機の「手軽な贈り物にはタバコをどうぞ」も結構イケてます。

「ワレワレハウチュウジンダ」になくて「バックします」にあるものはなんでしょうか。ひとつには抑揚、もうひとつはリズム(拍)ではないでしょうか。

わかりやすい例ということで、もう少し、日本語の話を続けます。

故トニー谷氏の決まり文句に「あなたのお名前なんてーの?」というものがあります。カッカッカカッカッカッカカンカン、、、とソロバンで拍をとって、これを言うわけですが、とても耳馴染みのよいフレーズです。ちょっと考えると都々逸などに共通する「七五調」ではないかと思われます。「ではないかと思われる」と勿体をつけたのは、実際に勘定してみると「あなたのおなまえ」(8)+「なんてーの」(5)と、「八五調」だからです。和歌俳句には「字余り」というバッファーがありますので、たまたま、そんなものがあっても、一向に構わないところではありますが、「字余り」というイレギュラーにしては、リズムにピッタリ嵌っていることが却って気になります。

そこで、七五調の超基本である「イロハうた」と引き比べてみましょう。折角ですからカッカッカカッカッカッカカンカンとリズムに載せながらやってみてください:

 
   

、、、と、「ト」と「チ」の間に休符を置かないと、収まりがよくないのではないでしょうか?

さらに、、、「イロハ」を単なる記号ではなく、言葉として認識してみましょう「色は匂へど散りぬるを」です。はい、カッカッカカッカッカッカカンカン、、、

 
   

、、、と、先頭を裏拍から入るほうが自然ではないでしょうか?

これを上の記号パターンに合わせると、、、はい、カッカッカカッカッカッカカンカン、、、

 
   

、、、どうにも、妙なリズムになります。両手に握りこぶしを作って、同時に振り下ろすような(わたしだけ?)とても、まっとうな日本語とは思えません(わたしだけ?)

「イロハうた」に限られるものではないということで、カール・ブッセ作、上田敏訳の「山のあなた」でも確認してみましょう、、、はい、カッカッカカッカッカッカカンカン、、、(しつこい?)

   
   
   
   
   
   

(山のあなたの空遠く、幸い住むと人のいう。 ああ、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみかえりきぬ。山のあなたになお遠く、幸い住むと人のいう。)

ことは文語に限りません。

  きょ    

日ソ共同宣言

かん ぎょ ぎょ きょ        

日韓漁業協定

 

         

稲垣・香取ペア

         

木村・草薙ペア

長い長い前書きになりました。実は「共同宣言」や「漁業協定」がアタマで、「日ソ」「日韓」は前の小節の「助走」なのではないか、とか、3文字の名前が単品もしくはアタマに(助詞をともなわずに)登場するときには4文字分の「枠」が想定されるのではないかとか、面白そうなテーマではあるのですが(「ミミズ千匹」は裏から入るのに「ミミズが千匹」だと表からとか)、とりあえず、どこで休むか、アタマが表拍か裏拍か、、、何の気なしに話している我々の日本語にも、リズム的な使い分けが存在するのだということ、そして、そのリズムを崩すと、「変」に聞こえるということを、おふくみおきください。

外国語の習得において、通常、「慣れろ」と言われる部分でしかないのですが、闇雲に早回しテープなどを聞き込んでも、「らしい話し方」がなかなか身につかないのは、この辺に理由があるのではないか、ということで、取り上げてみることにしました。

それでは、ポルトガル語のリズムの確認を始めましょう!>>

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